おひとりさま人生を決断する前に②

今日は「おひとりさま人生を決断する前に」の2回目です。

公的年金制度の解説に入る前に、もう少し基本的な考え方を整理してみましょう。

前回の①で「おひとりさま」の人生と「結婚する人生」は両てんびんで考えてもいいのです、という話をしましたが、おひとりさまは金銭面で考えたときにどんなんでしょうか?「損」でしょうか、「得」でしょうか。

精神的な損得はともかく、経済的な損得は一度考えてみるべきテーマです。生活コストを考えると独身者の一人暮らしは、夫婦より割高です。ひとつの部屋に2人が暮らし、水道光熱費を共用するほうが生活費は割安です。シングル世帯の生活費は夫婦世帯のコストを単純に2で割ればよい、というわけにはいきません。

これは住宅ローンでもそうです。一人暮らしの物件は、単純にファミリー物件の半額とはならないですよね。夫婦の強みが最大限に発揮されるのは共働きです。夫婦が共に正社員で働いた場合、合計所得はかなりのものとなります。 

夫婦の方が明らかにコスト高になる要素としては子育てと教育費用があげられます。子育てはお金の問題だけではありませんが、大きな経済的負担になることは間違いありません。年間100万円程度が社会人になるまでかかるとすれば、これを負担せずにすむおひとりさまには経済的余裕が生じるわけです。トータルでいえば、生活コストは割高になるが子育てコストが生じない分、ややおひとりさまが有利、というところでしょうか。

私が若い世代に老後のお金の話をするのには理由があります。

お金の準備には時間がかかるからです。「お金の準備は後からできない」のです。この原則を唯一回避できるのが住宅の購入です。家を担保にすることで住宅ローンという選択肢が成立します。先に買って、後で返すことが許されます。しかしその他のマネープランは原則として必要となったとき、必要とされるお金がすでにあって購入などを行います。

おひとりさま問題も同じです。

45歳あるいは50歳くらいになって「あ、このままおひとりさまか」と気づいてようやくお金の準備を始めるのは遅すぎます。住宅の問題や老後の生活費用を準備するには時間が足りないのです。問題が現実化するよりも早く、確実に準備しておかなければなりません。

次回から具体的に見ていきたいと思います。

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